Windows 11 インストールUSB作成手順 (Linux手動方式)

Windowsのインストーラは、実際に動作中のWindowsがなくても作成可能です。
MicrosoftはWindowsのインストーラのISOイメージをダウンロードできるウェブページを提供しています。
しかし、そのイメージを直接USBメモリに書き込むだけではインストーラを起動できません。
特定のツールを用いて、追加の処理が必要です。

このガイドでは、Linux環境を使用して、Microsoft公式ISOからFAT32対応のWindows 11インストールUSBを作成する方法を説明します。
すべての手順はDebian公式パッケージで実行可能です。

!!!! 前提条件 !!!!

* 8GB以上のUSBメモリ(FAT32でフォーマット済み)
* wimtoolsパッケージ(wimlib-imagexコマンドを使用)
* Microsoft公式サイトから取得したISOイメージ

!!!! 手順の流れ !!!!

!!! 1. ISOのダウンロード !!!

Microsoft公式サイトから必要なISOをダウンロードします:

* URL: https://www.microsoft.com/en-us/software-download/windows11
* 例: Win11_25H2_English_x64.iso

!!! 2. ISOのSHA256チェックサム確認 !!!

ISOのチェックサムを以下のコマンドで確認し、公式SHA256値と一致することを確認します:

 sha256sum Win11_25H2_English_x64.iso

公式SHA256値:

 D141F6030FED50F75E2B03E1EB2E53646C4B21E5386047CB860AF5223F102A32

!!! 3. ISOファイルのマウント !!!

ISOを以下のコマンドでマウントします:

 sudo mkdir -p /mnt
 sudo mount -o loop Win11_25H2_English_x64.iso /mnt

!!! 4. USBメモリのフォーマットとマウント !!!

USBメモリをFAT32でフォーマットし、次にマウントします:

 sudo mkfs.vfat -F 32 /dev/sdX1 # sdX1は正しいパーティション名に置き換え
 sudo mkdir -p /media/usb
 sudo mount /dev/sdX1 /media/usb

!!! 5. ファイルのコピー (install.wim は一時的除外) !!!

ISOからUSBメモリにファイルをコピーします。ただし、install.wimは一旦除外します:

 sudo cp -r /mnt/* /media/usb/

!!! 6. install.wim の分割と保存 !!!

install.wimを分割し、USBに保存します。初回のみwimtoolsをインストールします:

 sudo apt install wimtools # 初回のみ
 sudo wimlib-imagex split /mnt/sources/install.wim /media/usb/sources/install.swm 4000

!!! 7. アンマウントで完了 !!!

作業が完了したら、以下のコマンドでマウントを解除します:

 sudo umount /mnt
 sudo umount /media/usb

このUSBメモリは、UEFI対応のマシンで直接起動し、Windows 11のインストールに使用できます。

!!!! 補足 !!!!

* FAT32形式であることが重要です(UEFIブートの互換性のため)。
* install.wimが4GBを超えるため、FAT32にはそのまま保存できません。
* wimlib-imagex splitを使用した分割コピーが成功の鍵です。
* 公式のMedia Creation Toolを使わずに作成が可能です。